賃貸不動産経営管理士の勉強を進める中で、「賃貸住宅管理業法」という言葉は出てくるものの、意味を理解しないまま条文を丸暗記しようとしていませんか。結論から言うと、この法律は賃貸住宅の管理業務を担う会社に一定のルールと登録義務を課すために作られたもので、背景を理解すれば各論点の意味がつながって見えてきます。ここでは制定の経緯と目的を整理します。
賃貸住宅管理業法とは
正式名称を「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」といいます。2020年6月12日に可決成立、同年6月19日に公布された法律で、サブリースに関する規制部分は2020年12月15日に先行して施行され、登録制度を含む全体は2021年6月15日に全面施行されました(国土交通省の公表情報、2026年7月時点)。
条文をいきなり丸暗記しようとすると、似たような規定が多く混乱しがちです。しかし、この法律が「何のために作られたか」を先に押さえておくと、個々のルールの位置づけが理解しやすくなります。
制定の背景:サブリーストラブルの増加
この法律が作られた直接のきっかけは、サブリース(大家から一括で借り上げて入居者に転貸する仕組み)をめぐるトラブルの増加でした。「家賃保証」をうたう業者が、契約から数年後に一方的な家賃減額を大家に求める、といったトラブルが社会問題化したことが、規制強化の出発点になっています。
同時に、空き家問題や単身世帯の増加を背景に、自主管理ではなく管理会社に運営を任せる大家が増えたことで、管理会社側の業務の質にもばらつきが目立つようになっていました。
法律の2つの目的
賃貸住宅管理業法は、大きく分けて次の2つを目的としています。
- サブリース業者への規制: 大家に対する誇大広告・不当な勧誘を禁止し、契約前に家賃減額リスクなどを説明する重要事項説明を義務付ける
- 賃貸住宅管理業の登録制度: 管理戸数200戸以上を扱う管理業者に登録を義務付け、業務管理者の設置や、管理受託契約時の重要事項説明などを求める
つまり、大家を守るための規制(サブリース関連)と、管理業務そのものの質を担保するための規制(登録制度関連)の2本柱でできている法律です。
賃貸不動産経営管理士との関係
この法律の登録制度において、管理業者は営業所・事務所ごとに「業務管理者」を1名以上置く必要があります。この業務管理者になれる要件の一つが、賃貸不動産経営管理士の資格保有です。つまり、賃貸不動産経営管理士という資格は、この法律の登録制度を実務で回すための専門人材として位置づけられています。
資格そのものの意義や将来性については、別記事でより詳しく解説しています。
まとめ
- 賃貸住宅管理業法は2020年6月成立、2021年6月15日に全面施行
- サブリーストラブルの増加を背景に、大家保護と管理業務の質の担保を目的として作られた
- 「サブリース業者への規制」と「賃貸住宅管理業の登録制度」の2本柱でできている
- 賃貸不動産経営管理士は、この法律の登録制度を支える専門人材として位置づけられている
まずは、この2本柱の全体像だけを頭に入れてみてください。それだけで、この先の細かい条文の意味がつながって見えてくるはずです。


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